大判例

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高松高等裁判所 昭和24年(控)1101号・昭24年(控)1102号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

刑事訴訟法第二百五十六条第三項には公訴事実は訴因を明示してこれを記載しなければならない訴因を明示するにはできる限り日時場所及び方法を以て罪となるべき事実を特定してこれをしなければならないとあり同条第六項には起訴状には裁判官に事件につき予断を生ぜしめる虞のある書類その他の物を添付し又はその内容を引用してはならないとあり、起訴状の記載の範囲内容を制限して居ることは明に認められるところであるがこれは公訴事実と直接不可分の関係にない事情等を詳細に記載して起訴状一本主義の脱法を図り裁判官に事件について予断を与えることを避けようとして居る趣旨と思われる。従つて刑事訴訟の運用としては簡潔な起訴状の記載が望ましいことではあるが然し公訴事実の内容其のものについては当然に具体的に其の方法などを明示すべきものであり、その記載方法が書類其の他の物の内容の引用と認められる場合であつても本条第六項の禁ずるところではなく又公訴事実と直接不可分の関係にある一連の事実は之を起訴状に記載することが許され、其の記載については書類の他の内容を引用することが出来るものと思われるのである。仮令以上二つの場合のような記載が其の他の事項の記載に比し更に一層裁判官に予断を生ぜしめる虞のあるものであつても同様に考えられるのである。今本件起訴状についてこれを観るに本件起訴状には所論のような加筆文句が記載しあり、其の記載は公刑第一号の二同第七号のビラの内容を引用したものであることも所論の通りであるが(尤も起訴状には叙上のビラを証拠として押収してあることは記載して居ない)叙上の文句を加筆したことは本件公訴事実の内容其のものであり、それは本件起訴状を通読し右文句の内容を検討すれば直に諒解出来るところである。従つて其の記載は同条第三項の必要的記載事項であつて同条第六項の禁止規定に違反するものとは考えられないのである。

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